「暗黙の強化」は、人間関係やマーケティングで活用されている心理学用語です。結論から言ってしまうと、「暗黙の強化」とは、第三者を批判・称賛することで、間接的に自分がけなされたり褒められた気分になるという心理効果です。
例えば、自分以外の誰かが怒られているとき、自分は褒められたように感じたことはありませんか?
上記のように、相手が批判されているとき、間接的に自分の価値が上がった、褒められた気がすることを言います。
この「暗黙の強化」は、ライバルと比較することで自社のサービスや商品をよりアピールすることができるのでしっかり勉強しておきましょう。
この記事では、「暗黙の強化」の意味や具体例、マーケティング手法を紹介していきます。
この記事を読むことで、ライバルと比較してあなたの商品やサービスを優位にすることができますよ!
※すぐにマーケティングで応用する方法を知りたい方は【「暗黙の強化」をマーケティングで使う方法】をクリックでジャンプします。
上記の流れでご紹介していきます。
「暗黙の強化」の口コミ・評判
以下のように、ブロガーやインフルエンサーが暗黙の強化について解説している発信が多いように見受けられました。
暗黙の強化はさまざまな状況下で使われる心理学なのでぜひ覚えておきましょう!
【よくある心理学】
✨暗黙の強化✨
他の人が
けなされているのを聞く⇒自分が誉められている感覚になる😆
他の人が
誉められているのを聞く⇒自分がけなされている感覚になる😂
という効果❗
女の子「OO君ってかっこいいよね」
⇒(僕はかっこよくないのか・・・)みたいなニュアンス🤔
— のめ|心理学🐱note計17万PV (@nomenome333) June 27, 2020
「暗黙の強化」の意味とは?
まず、暗黙の強化の意味について解説します。
暗黙の強化
意味:その対象の比べる相手を批判することで、その対象を褒めたことになるという心理効果。
「暗黙の強化」の意味は、「間接的に感じ、無意識に働く心理学」
「暗黙の強化」とは、その対象の比べる相手を批判することで、その対象を褒めたことになるという心理効果を言います。
自分以外の誰かが称賛されると間接的に自分が批判された気がしませんか?
逆に、自分以外の誰かが批判されると間接的に自分が称賛された気になりますよね。
直接的に、称賛や批判をしていなくても間接的に感じる「暗黙の強化」は、無意識に働いてるため、自分が誰かを褒めたとき気付かぬうちに相手を傷つけているかもしれません。
また、相手を褒めすぎると逆に自分の価値も下がってしまうのでライバルを褒めるときは要注意です。
無意識に働いている「暗黙の強化」をしっかり理解して、人間関係やマーケティングに応用していきましょう。
「暗黙の強化」の語源と由来
人間はどんなときも比較を繰り返してます。
比較することで位置関係ができあがり「暗黙の強化」が働くこととなったのが由来です。
「暗黙の強化」の具体例
次に、暗黙の強化の事例を紹介します。
「暗黙の強化」という心理用語は、具体的にどの場面で利用されているのかを解説していきます。
「暗黙の強化」は人間関係で使われている
以下のような場面で暗黙の効果という心理効果が働いています。
- 上司に、その場にはいない同僚のことを「彼は最近、営業成績がよくない」と言われたとき、自分は何も評価されていないが同僚よりも自分を評価していると感じた。
- 母親が兄に「毎日頑張っててえらいね~」と褒めているのを聞き、自分は頑張っていないかのように批判された気がした
「暗黙の強化」はマーケティングで使われている
以下のような場面で暗黙の効果という心理効果が働いています。
- WEB広告の「類似商品にご注意してください」という文章
「暗黙の強化」は恋愛でも使われている心理学です。
恋愛における「暗黙の強化」の活用方法は以下の記事が参考になります!
参考 人間関係で損しないために知っておくべき心理学yujiblog「暗黙の強化」の類語である「ウィンザー効果」
「暗黙の強化」の類語には以下があります。
それでは、1つずつ解説していきます。
「ウィンザー効果」の意味とは?
意味:第三者からの情報が間接的に伝達することによって、より一層信憑性や信頼性が増す心理効果。
「ウィンザー効果」とは、第三者からの情報が間接的に伝達することによって、より一層信憑性や信頼性が増す心理効果です。
例えば口コミやお客様の声に良い評判が載っていたら、商品やサービスの信憑性が上がりますよね。
「ウィンザー効果」は恋愛、職場とさまざまな場面で活用することができるので、一緒に覚えておきましょう。
「暗黙の強化」の英語・英語例文・英語表現
次に「暗黙の強化」がどのように英語で表現されているのかを解説します。
「暗黙の強化」は英語で「Implicit strengthening」
「暗黙の強化」は英語で”Implicit strengthening”と英語表記します。
「暗黙の強化」は英単語の「Implicit」と効果の強化を持つ「strengthening」から由来している名前ですが、「Implicit」と「strengthening」とはどういう意味を持つのでしょうか?
それぞれご紹介していきます。
「Implicit」とは以下の意味を持ちます。
- 暗に示された
- 暗黙の
- 絶対的な
「Implicit」の英語例文をご紹介します。
<「Implicit」の英語例文>
- implicit consent.(暗黙の同意)
- implicit trust.(絶対的信頼)
「strengthening」とは以下の意味を持ちます。
・強くする
・丈夫にする
「strengthening」の英語例文をご紹介します。
<「strengthening」の例文>
- strengthening APEC.(APECの強化)
- finger-strengthening tool.(指強化具)
「暗黙の強化」をマーケティングで使う方法
続いて、「暗黙の強化」を使ったマーケティング手法をご紹介します!
類似商品にご注意ください!
ウェブ広告では、「類似商品にご注意下さい」と記載されているのを見かけたことはないですか?
あからさまに商品の良さだけを伝えたり、自慢をしたり、優位性を主張しすぎると消費者は不信感を抱いてしまいますが、上記の文章には、この商品は真似されるほど人気があるということを伝えています。
このように「暗黙の強化」を活用すれば、直接ライバル名を出さなくても自社の商品やサービスをアピールすることができます。
他にも、仮想のライバルを設定することでユーザーに優越感を持たせることができます。
例えば、予備校やダイエット関連の広告や商品は「ライバルに差をつけよう」などの文章が有効です。
「暗黙の強化」を使ううえで注意すべきこと
「暗黙の強化」を活用してライバルに差をつけるマーケティング手法をご紹介しましたが、それと同時に気を付けるべきことがあります。
景品表示法とは
1.不当表示や過大景品を迅速に処理するために制定された独占禁止法の特例法です
ぎまん的な広告表示や過大な景品類の提供による不当な顧客誘引行為は、独占禁止法により「不公正な取引方法」として禁止されていますが、広告表示や景品類の提供は短期間のうちに実施され、波及性、昴進性を有するので迅速な処理を必要とします。
そこでこのような要請に応えるために、独占禁止法の特例法として、簡易迅速な手続で規制できるように、昭和37年5月15日不当景品類及び不当表示防止法(以下「景品表示法」といいます。)が制定されたのです。景品表示法は、平成21年9月1日、消費者庁の発足に伴い、所要の改正が行われ、公正取引委員会から消費者庁に移管されました。
2.景品表示法の概要
景品表示法の全文は当連合会発行の法令集や、消費者庁のホームページ「表示」欄をご覧下さい。
3.一般消費者による自主的・合理的な選択を確保するため
景品表示法は、「商品及び役務の取引に関連する不当な景品類及び表示による顧客の誘引を防止」して「一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれのある行為の制限及び禁止について定めることにより、一般消費者の利益を保護すること」を目的としています(第1条)。
内閣総理大臣はこの法律に基づいて「景品類」を指定するとともに、景品提供のルールを設けています。その内容は景品提供を全面的に禁止するものではなく、過大なものを禁止するものです。4.景品提供の制限
まず景品類とは、「顧客を誘引するための手段として、方法のいかんを問わず、事業者が自己の供給する商品又は役務の取引に付随して相手方に提供する物品・金銭その他の経済上の利益」であり、物品、金銭ばかりでなく株券・金券などの有価証券、映画や旅行などヘの招待・優待、自社用の自動車や建物施設などを使用させる便益、さらには清掃や配送などのサービスなど、経済上の利益はすべて含まれます。
ただし、正常な商慣習に照らして値引・アフターサービスと認められる経済上の利益又はその商品・役務の取引に付属すると認められる経済上の利益は含まれません。また、組合せ商品や詰合せ商品等も、原則として、景品類とはみなさないこととしています。
日本には「暗黙の強化」があり比較広告は禁止されています。
消費者に誤解を与えてしまうような行き過ぎた表現に注意しましょう。
まとめ|「暗黙の強化」とは、その対象の比べる相手を批判することで、その対象を褒めたことになるという心理効果。
さいごに、この記事でお伝えしたことをまとめると以下の通りです。
- 「暗黙の強化」とは、その対象の比べる相手を批判することで、その対象を褒めたことになるという心理効果
- 「暗黙の強化」は人間関係やマーケティングで使われている
- 「暗黙の強化」の類語は「ウインザー効果」
- 「暗黙の強化」は英語表記で”Implicit strengthening”と表記
- 「暗黙の強化」をマーケティングで活用すると、直接ライバル名を出さなくても自社の商品やサービスをアピールすることができる
「暗黙の効果」は、第三者を批判・称賛することで、間接的に自分がけなされたり褒められた気分になるという心理効果です。
恋愛や職場などの人間関係からマーケティングまでさまざまな場面で働いているのでしっかり理解しておきましょう。
マーケティングでは、あえてライバルと比較することで自社をアピールすることができます。
比較するときは「景品表示法」を意識して消費者に誤解を与えないようにしましょう。