「初頭効果」は、恋愛やマーケティングなどさまざまな場面で活用されている心理学用語です。まず結論から言ってしまうと、「初頭効果」とは、人間は相手を第一印象で認識してしまう傾向があるという心理効果を言います。
また「初頭効果」は「終末効果」とも呼ばれているので一緒に覚えておきましょう!
「相手の印象は3秒で決まる」とも言われているくらい最初に与えるインパクトはとても重要です。
つまり、Webマーケティングにおいても、記事やコンテンツを作成するときに、セールスポイントは最初に伝えることが重要だということです。
この記事では、「初頭効果」の意味や語源を解説しながら、英語表現や実験、類語、具体例、れんあいやマーケティングで使う方法などを紹介していきます。
マーケティング職で働く人が、この記事でご紹介する「初頭効果」を理解しマーケティングで活用することで、あなたの商品やサービスが今よりも売れるようになるはずです。
「初頭効果」の意味とは?
まず、初頭効果の意味についてご紹介します!
初頭効果
意味:人間は相手を第一印象で認識してしまう傾向があるという心理効果。
「初頭効果」の意味は、「人間は相手を第一印象で認識してしまう傾向がある」
「初頭効果」とは、人間は相手を第一印象で認識してしまう傾向があるという心理効果を言います。
人や物に対する第一印象が長い間残り続けますよね?
つまり、人は、出会って数秒(約3秒)で相手の印象を決定します。
最初の印象はインパクトが強く、なかなか上書きできないということを覚えておきましょう!
簡単にまとめると、最初に提示される情報が記憶されやすいという心理効果です。
心理作用としては、短期記憶から長期記憶に情報が流れて記憶が定着しやすくなるのです。
- 「初頭効果」の意味は、人間は相手を第一印象で認識してしまう傾向があるという心理効果。
- 簡単にまとめると、最初に提示される情報が記憶されやすいという心理効果。
好印象を与えるのにとっておきの心理学が他にもあるので一緒に覚えておくと良いでしょう。
「初頭効果」の語源と由来とは?
「初頭効果」の語源と由来は以下を参考にしてくださいね!
「初頭効果」は、ポーランド出身でアメリカで活躍した心理学者であるソロモン・アッシュが1946年に行った印象形成の実験によって提唱された心理学です。
- 心理学者の「ソロモン・アッシュ」が1946年に行った印象形成の実験によって提唱した。
「初頭効果」の英語表現とは?
「初頭効果」の英語表現を詳しく解説します。
「初頭効果」は英語で「Primacy Effect」
「初頭効果」の英語表記は「Primacy Effect」と表記します。
「初頭効果」は英単語の「primacy」と効果の意味を持つ「effect」から由来している名前ですが、「primacy」とはどういう意味を持つのでしょうか?
「primacy」は以下の意味を持ちます。
- 第一位
- 首位
- 卓越
- 優位
以下では、「primacy」を使った英語例文をご紹介します。
<例文>
- The Primacy effect is one of the best known phenomena in cognitive psychology.(初頭効果は、認知心理学で最も知られている現象の一つです。)
- the primacy of practice over theory.(理論より実践の優位)
- 「初頭効果」は英語で「Primacy Effect」
「初頭効果」の実験とは?
次に、「初頭効果」の実験について解説します。
「初頭効果」の実験概要
「初頭効果」の実験では、まず人物の性格を表す形容詞を羅列した文章を2つ用意します。
「初頭効果」の実験内容
2つの文章を順番に読んでどのような印象を持ったかをチェックするというのが実験内容です。
用意した以下の2つの文章の内容はまったく同じですが、記載されている形容詞の並び順が異なります。
- 明るい、素直、頼もしい、用心深い、短気、嫉妬深い
- 嫉妬深い、短気、用心深い、頼もしい、素直、明るい
上記の2つの文章では、1はポジティブな形容詞が先に、2はネガティブな形容詞が先に記載されていますね。
「初頭効果」の実験結果
この実証実験の結果、1は「ポジティブな印象」を、2は「ネガティブな印象」を持つと答える人が多かったです。
このように、同じ内容であっても先に説明された内容が印象に残ることを「初頭効果」と呼びます。
「初頭効果」の類語とは?
続いて、初頭効果の類語を紹介します。
「初頭効果」に似ている心理学は以下の通りです。
それでは解説していきます。
「初頭効果」の類語は「親近効果」
意味:終盤に与えられた情報でその人の印象や行動が決定されやすいという心理効果。
「親近効果」とは、終盤に与えられた情報でその人の印象や行動が決定されやすいという心理効果です。
「親近効果」は「親近性効果」とも呼ばれています。
「親近効果」は短期記憶に基づいている心理効果と言えます。
「親近効果」を詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてくださいね!
「初頭効果」の類語は「ハロー効果」
ハロー効果
意味:目立つ特徴に惹かれて、全体像の評価を決定づけてしまうという心理効果。
「ハロー効果」とは、ある対象を評価・判断する時に、それが持つ顕著な特徴に引きずられ、他の特徴の評価が歪められる(認知バイアス)現象のことを言います。
たとえば、メガネをしている人がいたら「真面目そう」というイメージを持つことです。
「ハロー効果」にも「ポジティブ・ハロー効果」と「ネガティブ・ハロー効果」があるので覚えておきましょう。
これを簡単に説明すると、全体像の評価を決定づけた結果が、「ポジティブ」なのか「ネガティブ」なのかということで分かれます。
- 「初頭効果」の類語は、「親近効果」と「ハロー効果」
「初頭効果」の具体例とは?
「初頭効果」という心理用語は、具体的にどの場面で利用されているのかを解説していきます。
それでは詳しくご紹介します。
初頭効果はビジネスシーンで使われている
ビジネスシーンにおいて、相手に自分の印象を良くさせたいときに初頭効果を使うことができます。
◆ビジネスシーンで使われている例
例えば、第一声がハキハキと笑顔で話しかけると、相手は「元気で熱血タイプ」だと判断します。
反対に、自信がなさそうにボソボソと話しかけると、相手は「気が弱そう」だと判断します。
そのため、実際の自分の性格に関係なく、第一印象によって相手が受ける印象が異なるのです。
つまり、常にハキハキと話すことで、良いイメージがつくので、あなたが実際に気が弱くても相手が受け取る印象が良くなるように自信を持って話すことを心がけましょう!
「初頭効果」の恋愛に対する具体例とは?
恋愛においては、「第一印象がとても大切」というのが「初頭効果」と言われています。
恋愛では確かに第一印象がとても重要ですが、出会った瞬間にすべてが決まるわけではありません!
「スリーセット理論」という心理学がありますが、これは「出会って3回目までに印象が決まってしまう」という心理効果です。
では、3回目までにどのような印象が決まっていくかを詳しく解説します。
1回目の印象(初対面)
初対面では、
- 外見
- しぐさ
- 話し方
- 食べ方
などから印象が決まっていきます。
この段階で、相手に悪い印象を恋愛対象にされることはかなり難しくなってしまいます。
ただ、まだ2回印象を変えられるチャンスもあるということを頭に入れておきましょうね!
第一印象は重要なポイントなので、良い印象を与えておきましょう!
そのために必要なのは「笑顔」です。
笑顔は相手に安心感を与えます。
実は話している内容というのはあまり重要ではありません!
とにかく笑顔という素晴らしい外見の印象を植え付けさせれば悪い印象を持つ人はいないでしょう。
2回目の印象
2回目は、1回目のおさらいのような感じです。
つまり、「初対面で出会ったときの第一印象は正しかったか」ということをチェックします。
そのため、第一印象が最悪でも、この2回目のときに挽回できる可能性は充分にありえます。
3回目の印象
ここでその人の印象が決まってしまいます。
そのため、このときに悪い印象が少しでもあると、4回目に会っても印象を変えることは難しいです。
第一印象はとても重要ですが、「スリーセット理論」によれば、3回目までチャンスがあるので頑張りましょう!
「初頭効果」を恋愛で使う方法とは?
「初頭効果」と「メラビアンの法則」を使うことで上手く恋愛に活かすことができます。
※「初頭効果」を目的に、会話のネタ(話す情報)を準備しておくことはおすすめできません。
ヒトがヒトを判断するときに1番重要視されるポイントは「視覚情報」です。
つまり、1番最初に与える印象は「視覚情報」から来るのです。
簡単にいうと、見た目の印象に強く左右されるということ。
好きなタイプは人それぞれ好みがありますが、「不潔な人が好き」という方はいませんよね?
そのため、相手の好きなタイプがわからないとしても、「清潔感」を意識した身なりを意識することがとても重要です。
「初頭効果」を使った具体的なモテる方法
「清潔感」をアピールできる色は以下の3つです。
- 白
- 紺
- 青
この3つの色をファッションに取り入れるだけで、グンっと清潔感UPの演出できます。
◆男性の場合
黒いスーツよりも紺のスーツを着た方が清潔感をアピールできます。
◆女性の場合
白をファッションで使えば清潔感がアピールできますが、白一色で統一することはおすすめできません。
白をベースに他の色を取り入れていくことをおすすめします。
白Tシャツを着るだけでも充分清潔感が残ります。
最初に良い印象を当てることができれば、その後も良い関係を築きやすくなりますよ!
- 恋愛では清潔感を意識させる。
「第一印象で悪い印象を与えてしまった」ときの対処法とは?
第一印象で与えてしまった悪い印象をひっくり返すのは難しいことです。
しかし、「親近効果」を使えば挽回できるチャンスは大いにあります。
恋愛で言う、親近効果は「一発逆転」というイメージです。
デートの帰り際や別れる際に良い印象を与えるだけで、良い人だったなと思ってもらえる可能性があります。
つまり簡単に言うと、「最後が良ければ全て良し」ということです。
例えば、
- 家まで送ってあげる
- 荷物を持ってあげる
- 最後の食事だけおごる
- 夜景が綺麗なスポットに行く
これをするだけで、良い印象にシフトすることがあるので活用してみてくださいね!
- 第一印象で悪いイメージを与えてしまったときは、最後だけでも印象を与えるようにする。
「初頭効果」をマーケティングで使う方法とは?
次に、「初頭効果」をマーケティングで使う方法を解説します。
結論ファーストが大事!
例えば、アフィリエイトで売りたい商品、サービスがある場合、冒頭で紹介することでユーザー(読者)に強く印象付けることができます。
あなたが学生時代にレポートや論文を数多く書いてきた経験があると思いますが、レポートや論文の場合は、その内容をもとに序論から始まり、問題提起から本論へ、最終的に結論付けるのが一般的です。
この反対が「初頭効果」です。
また読み手の心を一気に鷲掴むために有効的なテクニックとして、結論を最初に持ってきます。
ブロガーやWebライターをしている方は、記事を作成するにあたってPREP法を意識していることが多いと思いますが、PREP法と似ている要素です。
PREP法も一緒で、まずは結論から伝え、結論で締める。
初頭効果も同様です。
ですから、ユーザーに知らせたい情報は最初に持ってくることで印象付けやすくなるのです。
PREP法の一番の特徴は結論を最初に述べることであるが、これは話の聞き手側の集中力が最も強いのが開始直後の30秒程度であることから、最も強調したい事柄を最初に話し、強く印象付けることで説得力のある文書やプレゼンテーションを構成することが出来るからである。また、冒頭に結論、つまり要点を持ってくることにより、何についての文書やプレゼンテーションなのかを聞き手側が把握しやすくなる。また、冒頭で内容をイメージ出来るかどうかでその後の内容の理解度も変わってくる。加えて、忙しいことが多いビジネスシーンでは結論を先に求められる場合が多いことからPREP法はビジネスシーンに適している。
1番初めに聞いた言葉、1番初めに目にしたものほど印象に残るというのがこの初頭効果という心理効果です。
テレビショッピングの事例
テレビショッピングでも、はじめから商品のセールスポイントを説明しているのを見たことがあるでしょう。
- 「みなさん!今回はいきなり価格から発表します!驚かないでくださいね、今回の商品は特別価格〇〇円でご提供!」
仮に、そのテレビショッピングを見てないで、あなたがソファでスマホをいじっていたとしても上記の一文を聞いたことで、テレビの方を向いてしまうはずです。
つまり、最初ほど人間は記憶しやすく、イメージも作りやすいのです。
一方、時間が経つほど人間の記憶に残りづらくなってしまうのです。
人付き合いも一緒で、相手の印象は3秒で決まると言われているくらい最初の印象が大事ですよね。
あなたがもし、ブロガーやアフィリエイトサイトを運営しているのであれば、訪問してくれているユーザーに印象を与えたいことをまず伝えるべきでしょう。
- 結論から先に述べることを意識する。
「初頭効果」を学べる動画
次に、「初頭効果」をわかりやすく説明している動画をご紹介します。
もし、ここまで読んでいただいて「さらに初頭効果を知りたい!」という方は以下の動画も参考にしてくださいね!
【心理学】初頭効果を理解する
【初頭効果・親近効果】を営業・マーケティングに応用する方法
「初頭効果」の論文とは?
ここでは「初頭効果」の論文をまとめておきます。
ぜひ参考にしてくださいね!
初頭効果と新近性効果に対する作動記憶容量の役割:遅延時間を入れた場合
著者情報
名前:佐々木 尚
所属:慶應義塾大学大学院社会学研究科教育学専攻
収録刊行物:日本認知心理学会発表論文集
◆この論文をチェックする
RSVP課題における初頭効果とヴィジランスの低下(日本基礎心理学会第23回大会、大会発表要旨)
著者情報
名前:有賀 敦紀、横沢 一彦
所属:東京大学
収録刊行物:基礎心理学研究
◆この論文をチェックする
印象形成過程の研究
著者情報
名前:高橋 超
所属:広島大学
◆この論文をチェックする
系列位置効果を妨げる要因
著者情報
名前:小川 徳子、木原 香代子
◆この論文をチェックする
自由再生法を用いた無意味語記憶実験の手続きの検討
著者情報
名前:深堀 友覚
所属:駒澤大学
収録刊行物:駒澤大学心理学論集
◆この論文をチェックする
印象形成の研究:情報統合理論によるアプローチ
著者情報
名前:萩原 滋
所属:慶應義塾大学
収録刊行物:慶應義塾大学大学院社会学研究科紀要
◆この論文をチェックする
性格の類似性と自己受容および他者受容が印象形成に及ぼす影響
著者情報
名前:山尾 彰子、吉村 英
所属:京都女子大学
収録刊行物:京都女子大学発達教育部紀要
◆この論文をチェックする
まとめ
さいごに、この記事でお伝えしたことをまとめると以下の通りです。
- 「初頭効果」とは、人間は相手を第一印象で認識してしまう傾向があるという心理効果
- 「初頭効果」の類語・言い換え表現は、「親近効果」と「ハロー効果」
- 「初頭効果」は英語表記で、「Primacy Effect」と表記
- ユーザーに知らせたい情報は最初に伝えると印象付けやすい
初頭効果は活躍しているアフィリエイターであれば、ほとんどの方が活用している心理効果です。
Webマーケティングにおいては知っておかないといけない鉄則の心理学なので覚えておきましょう!